ネットショップ(EC)の売却とは?売れるお店の特徴や売却の流れ、引き継ぎの注意点を解説

ネットショップ(EC)の売却とは?売れるお店の特徴や売却の流れ、引き継ぎの注意点を解説

インターネットで商品を販売するネットショップ(EC)は、個人や小さな会社でも始めやすく、多くの事業者が運営しています。一方で、「本業が忙しくなって手が回らない」「別の事業に集中したい」「体調の都合で続けるのが難しい」といった理由から、ネットショップの売却を考える方も増えています。

ネットショップは、お店の建物や大きな設備がなくても運営できるため、比較的小さな金額でも売り買いされやすい事業です。また、引き継ぐ側にとっても、一から立ち上げるより早く売上を得られるという魅力があります。

ただし、ネットショップを売却するときには、ドメインやモールのアカウント、顧客情報、在庫、仕入れ先など、引き継ぐものが多岐にわたります。どれか一つでもうまく引き継げないと、売却後に売上が大きく落ちてしまうこともあります。

ここでは、ネットショップの売却の方法と、売れるお店の特徴、価格の考え方、売却の流れ、引き継ぎで注意したいポイントについて解説します。

ネットショップの売却が増えている背景

オンラインで販売する商品の準備
 

ネットショップの売却は、なぜ増えているのですか?

 
 

ネットショップを始める人が増えたことで、手放したい人と、すでに売上のあるお店を手に入れたい人の両方が増えているためです。インターネット上で売り買いの相手を探しやすくなったことも、理由の一つです。

 
 

始める人が多い分、引き継ぎの機会も増えているんですね!

 

ネットショップの売却が増えている主な背景には、次のようなものがあります。

  • 運営の手間:商品の登録や発送、お客様への対応に、多くの時間がかかる
  • 別の事業への集中:本業や新しい事業に、時間とお金を使いたい
  • 広告費の上昇:集客のための広告費が上がり、個人で続けるのが難しくなっている
  • 買手の増加:すでに売上のあるお店を手に入れて、事業を広げたい会社や個人が増えている
  • 相手を探す仕組みの広がり:小さな事業を売り買いできるマッチングサイトが増えている

ネットショップの売却の方法

ネットショップを運営する作業
 

ネットショップは、どのような方法で売るのですか?

 
 

ネットショップだけを売る場合は、お店に関わる資産や契約を個別に引き継ぐ「事業譲渡」が一般的です。会社がネットショップだけを営んでいる場合は、会社ごと売る「株式譲渡」を選ぶこともあります。

 
 

何を売るかによって、方法を選ぶんですね!

 
売却の方法主な特徴
事業譲渡ネットショップに関わるものだけを個別に引き継ぐ。個人事業でも使える
株式譲渡会社ごと引き継ぐ。契約やアカウントの名義が会社のまま続く

自社サイトとモールの違い

ネットショップには、自分で作ったサイトで販売する「自社サイト」と、大手のショッピングモールに出店して販売する「モール出店」があります。

自社サイトの場合は、ドメインやサーバー、サイトのデータなどを引き継ぐことになります。一方、モール出店の場合は、出店しているアカウントや店舗を引き継げるかどうかが、モールごとの規約によって決まります。モールによっては、店舗の譲渡が認められていなかったり、決められた手続きが必要だったりするため、事前に必ず確認しましょう。

売れるネットショップの特徴

 

どのようなネットショップが、売れやすいのですか?

 
 

利益が安定して出ていること、リピートしてくれるお客様が多いこと、広告だけに頼らずに集客できていること、運営の手順がまとまっていることなどが、買手に評価されやすいポイントです。

 
 

売上だけでなく、仕組みが整っているかも大切なんですね!

 
評価のポイント内容
利益月ごとの売上と利益、利益率の推移
お客様リピートしてくれるお客様の割合、会員の数
集客検索、SNS、広告など集客の方法のバランス
商品独自の商品か、ほかでも買える商品か、仕入れ先の安定性
運営作業の手順書、外注先との契約、かかる時間
評判レビューの評価、SNSのフォロワー

広告だけに頼っていないか

広告を出したときだけ売上が上がるお店は、買手にとって広告費の負担が大きく見えます。検索で見つけてもらえる、SNSから来てくれる、リピートしてくれるお客様が多いなど、広告以外の集客の仕組みがあるお店は評価されやすくなります。

オーナーがいなくても回るか

商品の仕入れや撮影、発送、お客様への対応などが、すべてオーナー一人の頭の中にあると、買手は引き継げるかどうかを心配します。作業の手順を書き出し、誰でも運営できる状態にしておくことが大切です。

売却価格の考え方

 

ネットショップの売却価格は、どのように決まるのですか?

 
 

在庫などの資産の価値に、お店が生み出す利益の数年分を加えて考えることが多くあります。利益が安定しているほど、また伸びているほど、価格は高くなりやすい傾向があります。

 
 

利益をきちんと示せるかどうかが、価格に影響するんですね!

 

ネットショップの価格を考えるときは、まず本当の利益を正しく計算することが大切です。売上から、商品の仕入れ代、送料、モールの手数料、広告費、外注費などを差し引いて、毎月どのくらいの利益が出ているのかを整理しましょう。

オーナー個人の生活費や、ネットショップと関係のない費用が混ざっている場合は、それらを分けて、お店の本当の利益が分かるようにしておくことが大切です。

在庫は、売却の時点で数を数えて、価格とは別に精算することもあります。在庫の扱いは、交渉の早い段階で決めておきましょう。

引き継ぎで注意したいポイント

 

ネットショップの引き継ぎで、特に気をつけることはありますか?

 
 

ドメインやアカウントの名義の変更、顧客情報の扱い、仕入れ先との契約、許認可の確認などが大切です。一つずつ漏れなく引き継げるよう、一覧にしておきましょう。

 
 

引き継ぐものが多いので、一覧にしておくと安心ですね!

 

ドメインとアカウント

自社サイトのドメインやサーバー、決済サービス、メールの配信サービス、SNSのアカウントなど、お店の運営に使っているものを一覧にしましょう。それぞれ名義の変更の手続きや、引き継ぎの決まりが異なるため、サービスごとに確認が必要です。

顧客情報の扱い

お客様の名前や住所、購入の履歴などの顧客情報は、個人情報にあたります。事業の承継に伴って個人情報を引き継ぐことは法律で認められていますが、引き継いだあとも、もとの利用目的の範囲で使う必要があります。個人情報の扱いについては、専門家に確認しておくと安心です。

仕入れ先や外注先との契約

商品の仕入れ先や、撮影・発送などを任せている外注先との契約も、引き継ぎが必要です。事業譲渡の場合は、相手の同意を得て、新しい運営者と契約を結び直すことになります。仕入れ先との関係はお店の価値を支える大切な要素なので、引き継ぎの際に一緒にあいさつをするなどの配慮をしましょう。

許認可の確認

販売している商品によっては、許可や届出が必要なことがあります。たとえば、中古品を扱う場合の古物商の許可、お酒を扱う場合の販売の免許、食品を扱う場合の営業の許可などです。これらの許可は、個人や会社ごとに受けるものが多いため、事業譲渡の場合は、引き継ぐ側が新たに許可を受ける必要があるか確認しましょう。

表示の変更

ネットショップには、特定商取引法にもとづいて、運営者の名前や住所、連絡先などを表示する必要があります。運営者が変わる場合は、引き継ぎのタイミングで表示を正しく変更しましょう。

ネットショップの売却の流れ

ネットショップの売却は、一般的に次のような流れで進みます。

  1. お店の情報を整理する:売上と利益、集客の方法、在庫、引き継ぐアカウントなどを整理する
  2. 相談先を決める:仲介会社やマッチングサイトなどを利用する
  3. 買手を探す:お店の概要をまとめ、買手候補を探す
  4. 条件を交渉する:価格、引き継ぐ範囲、引き継ぎの期間などを決める
  5. 契約を結ぶ:引き継ぐものの一覧を定め、契約を結ぶ
  6. 引き継ぎを行う:アカウントの名義の変更、運営の手順の説明、仕入れ先へのあいさつなどを行う

売却を成功させるためのポイント

 

ネットショップを少しでも良い条件で売るには、どうすればいいですか?

 
 

売上が落ちる前に動き始めること、数字と運営の手順を整理しておくこと、引き継ぎのサポートを約束することが大切です。

 
 

お店が元気なうちに準備しておくことが大切なんですね!

 

売上が落ちる前に動く

運営に手が回らなくなってから売却を考えると、その間に売上が落ちて、価格が下がってしまうことがあります。お店が順調なうちに相談を始めることで、良い条件で引き継いでもらいやすくなります。

数字を証明できる資料を用意する

売上や利益の数字は、決済サービスやモールの管理画面、会計の記録などで確認できるようにしておきましょう。数字の根拠がはっきりしているほど、買手は安心して判断できます。

ネットショップの売却でよくある質問

個人で運営しているネットショップでも売れますか?

はい。個人で運営しているネットショップでも、事業譲渡の形で売却することができます。売上の規模が小さくても、利益が安定していて、運営の手順がまとまっているお店は、買手が見つかりやすくなります。

売却後、どのくらいの期間サポートが必要ですか?

お店の内容によって異なりますが、数週間から数か月ほど、買手の質問に答えたり、運営の方法を教えたりするサポートの期間を設けることが多くあります。サポートの期間や内容は、契約の段階で決めておきましょう。

ネットショップの売却は、引き継ぐものの整理がカギ

ネットショップの売却では、自社サイトかモールへの出店かによって、引き継げるものや手続きが変わります。利益が安定していて、運営の仕組みが整っているお店ほど、買手に評価されやすくなります。

ドメインやアカウント、顧客情報、仕入れ先、許認可など、引き継ぐものを一覧にして漏れなく準備することが、売却を成功させるポイントです。

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